
■ 【障がい者(障害者)就職・採用・転職コラム】
【新たな検討会】がスタート。その議論は本当に新しいのか?
「第1回 障害者就労に係る雇用福祉横断検討会」が6月1日に厚生労働省でスタートします。
「第1回 障害者就労に係る雇用福祉横断検討会」が6月1日に厚生労働省でスタートします。
テーマは、
・障害者雇用の質の向上
・障害者雇用率制度の在り方
などです。
障害者雇用を取り巻く環境は大きく変化しています。
企業の障害者採用・雇用は増加し、障害福祉サービスの利用者数も増え続けています。
働き方も多様化し、障害者が企業で働く形も以前より広がっています。
だからこそ、雇用と福祉の関係を改めて整理する議論は必要だと思います。
しかし資料を見て「この議論、どこかで見た気がする」と思ったのは私だけでしょうか。
今回の検討項目には、
・雇用と福祉の役割分担
・就労継続支援A型事業所の位置付け
・A型利用者の雇用率カウント
・就労移行支援・定着支援の在り方
・障害者就業・生活支援センターとの役割分担
・福祉と雇用の行き来の仕組み
などが並んでいます。
確かに重要な論点です。しかし、これらの多くは過去の障害者雇用分科会や社会保障審議会、「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」などでも繰り返し議論されてきたテーマです。
さらに参加メンバーを見ると、厚生労働省の他の関連会議にも参加している方が少なくありません。
そのため「新しい検討会」というより、「これまで別々に行われていた議論を横断的に整理し直す場」という印象を受けます。
資料の中をみるとA型事業所と雇用率制度の関係に相当な時間が割かれているようです。
でも障害者雇用の質の向上を掲げるならば、以下のテーマに時間を割いてほしい気がします。
・キャリアアップ、スキルアップ、賃金向上につながる雇用
・障害特性に応じた研修やOJTの継続的な実施
・体調悪化時に安心して休める仕組み
・長期雇用を前提とした、健常者(一般雇用社員)とは別枠の休職制度や復職支援モデル
・障害者が管理職や専門職へ成長できるキャリア形成のモデル
法定雇用率が上がり続ける中で、多くの企業が障害者の採用&雇用の「数値確保」に追われています。
一方、障害者が「長く、安心して働き続けたい」と思える仕事・職場・企業の在り方については、十分な議論が進んでいるとは思えません。
今回の検討会が、制度整理や既存議論の焼き直しで終わるのか。
それとも障害者雇用の「数」ではなく、本当の意味での「質」に踏み込む議論になるのか。
どうなるのか分かりませんが、本当に求められているのは、
「障害者を何人雇ったか」ではなく、「その人が戦力として活躍し続けられる環境をどう作るか」を考えることではないでしょうか。
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